ブリッジウォーター・アソシエイツのボブ・プリンス氏らが「市場チャンピオンのライフサイクル」と題する、米市場についてのレポートの中で、インデックス投資のヒントを提案している。
米産業史をまとめたかのような楽しい読み物であり、原文を読まれることをお奨めしたい。
現在の市場環境の決定的な特徴の1つは、少数の企業が上位を独占していることにある。
最も大きな10の米企業が、米国株市場の時価総額のほぼ1/3を占めており、このような集中は数十年見られなかった。
プリンス氏らが自社サイトで書いている。
こうした問題意識から、同氏は米市場を10年から数十年の期間に区切り、その間に米市場を席巻した銘柄群の「栄枯盛衰」を解説している。
そう、どんなに強大であっても「長期的にはほぼすべてのチャンピオンは退位する」のである。
「イノベーション」と「競争上の堀」が在位を長くすることはあっても、いつかは「創造的破壊」の脅威にさらされるのだという。
では、Mag7、いやMag4など現在のチャンピオンたちにもそのプロセスが迫っているのか。
プリンス氏らは「強力な競争上の堀」、財務力、買収・同化力などが、レジームを長くする可能性を認めている。
一方で、独禁法や代替技術の登場が脅威になりうるとも書いている。
プリンス氏は、インデックス投資が後押しした銘柄集中が生み出す危うさを指摘している。
今日、投資家が考えるべきは、ほとんどの投資家がかつてないほど現チャンピオンに高いエクスポージャーを有している点だ。・・・
典型的な米市場の加重平均ポートフォリオの1/3超が現チャンピオンのバスケットに配分されており、世界のポートフォリオでは20%近くと、過去50年余りで最高だ。
前世紀にわたる創造的破壊の力を考慮すれば、仮説的選択肢として、時価総額加重平均より算術平均ポートフォリオの方が、より高くより堅調なリターンを与えてくれるだろう。