ブリッジウォーター・アソシエイツのカレン・カーニオルタンブール氏が、同社のオールウェザー戦略の肝とも言える部分について、わかりやすく解説している。
今や保護主義と産業政策が主流となった。
カーニオルタンブール氏が投資家向けメールで、世界の政策パラダイムの変化を指摘した。
保護主義に説明は要るまい。
ここで言う産業政策とは、民間主導で発展する資本主義社会ではなく、政府が誘導して産業の発達を誘導することを指している。
意地悪な言い方をするなら、もはや(先進国を含む)世界全体がかつての共産主義国家に似たことをやっている、というようなものだ。
政治の在り方の議論をしても悲しくなるだけだ。
市民は、現実の社会で生き方を模索するしかない。
変貌した政策レジームの中で、投資家はどうサバイバルを実現できるのだろう。
カーニオルタンブール氏は、世界の投資家が米国株に集中する現状を危ぶんでいる。
世界最大のヘッジファンドは、そのお家芸を推奨する。
投資における最大の洞察とは、この問題への答を知ることに賭ける必要がないということだ。
代わりに分散投資を行えば、株式がドローダウンした時に助けになる。
オールウェザー戦略で有名なブリッジウォーターからすれば、将来を正確に予想しようなどと不可能なことを考えるより、経済・市場がどちらに振れても大丈夫なようにポートフォリオを分散する方が得策なのだ。
問題は、どのように分散すればよいかだ。
カーニオルタンブール氏によれば、そこにオールマイティなやり方はないという。
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