海外経済 投資

株式市場が迎えるダブル・ジョパディー:ジェレミー・グランサム
2024年3月28日

グランサム氏はバブルの歴史を語る時、しばしば日本の1980年代後半のバブルに言及する。
日本における株式・土地の「ダブル・バブル」を人類史上最大のバブルと考えている。
日本株が最高値更新するのに「35年」かかったことを笑いながら紹介し、実質ベースならあと45%上昇しなければいけないとコメントした。
(不思議なことに、インフレは加味するが、配当は加味してくれない。)
その一方で、日本株は最近の同氏の推しの一角に入っている。


このインタビューの中でグランサム氏は、ジョン・テンプルトンの有名な言葉「投資の世界で最も危険な4語は『This time it’s different.』(今回は違う)だ」について語っている。
グランサム氏は、最も危険なのは4語でなく5語だという。

「最も危険な5語とは『this time is never different』(今回も絶対違わない)だと考えてきた。
・・・バリュー投資家は、他のものとともにこれを戸口に掲示しておくべきだ。」

グランサム氏は《ものごとはいつも違う》と言いたいのではない。
《多少違うからといって油断するな》、つまりマーク・トウェインのいうとおり「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」と言いたいのだ。
日本株のPERが65倍でないからとか、昔とOPECの状況が違うからとか、決めつけて油断すべきではないと言いたいのだ。

一方で、この辛辣な英国紳士は、基軸通貨についてやや楽観的な見方を述べている。

ドルが(基軸通貨の座を)ポンドから奪うのが確定的になった初期でさえ、中東ほか世界中からポンドは多くの古くからの支持を受けていた。
すぐにポンドが使われなくなったわけではなく、唯一(の基軸通貨)だった。
だから、ドルが世界の中心的通貨でなくなるのも容易ではないだろう。


 前のページ 

-海外経済, 投資
-, , , ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 本サイトでは、オンライン書店などのアフィリエイト・リンクを含むページがあります。 その他利用規約をご覧ください。