ブリッジウォーター・アソシエイツのカレン・カーニオルタンブール氏が2025年のポートフォリオ配分について、国別により均等なバランスで分散を図ることを奨めている。
わが社は初めて、今日わが社が計測しているマクロや市場の圧力からどのように動的なロングオンリーの資産配分のポジションを決定するかについて考えを共有する。
カーニオルタンブール氏が1月28日付け投資家向けメールで、環境分析とそれに基づくポートフォリオ構築の考え方について提案している。
ヘッジポートフォリオではなく「ロングオンリーの資産配分」とされている。
必ずしもブリッジウォーターのヘッジポートフォリオのやり方ではなく、レバレッジを多用しない一般投資家に向けたアドバイスなのだろう。
ただし、そのやり方はブリッジウォーターのやり方そのものだ。
全体の環境についてはブリッジウォーターが年初に公表したレポートを踏襲している:
- 世界経済は「合理的な平衡状態」に収束しつつある。経済はかなり強く、インフレは高いが許容範囲。
- 市場はすでに良い結果を織り込んでいる。
- 政策がどうなるかは不透明。グローバリゼーションから重商主義へ。
- 選別が重要となり、時価総額加重平均ポートフォリオが最適ではなくなる。
こうした環境認識から、カーニオルタンブール氏は3つの主要な考え方を述べている:
- リスク資産は概して平均的な年に。金融緩和は続くと見られ、負のショックがあっても緩和で対応可。ただし、資産価格は強い結果を織り込み済み。
- 分散が重要に。世界は分断され相関が低下し、勝敗がつきやすくなる。国についてよりバランスの取れたポートフォリオを。すでに金融緩和が織り込まれている国だけでなく金融緩和圧力の強い国も。
- 債券より株式が有利。米国以外への分散を。物価連動債は「よいオプション価値」を与える。
カーニオルタンブール氏は3つの軸で有利・不利を示した図を添付している。
以下、特に度合いの大きな国を抽出:
リスク資産 | リスク資産有利 | 現金有利 |
中、加、英、・・・ | なし |
経済成長 | 成長上昇で有利な資産(株) | 成長低下で有利な資産(債券) |
中、加、欧、・・・ | なし |
インフレ | インフレ上昇で有利な資産(物価連動債、コモディティ) | インフレ低下で有利な資産(債券、株式) |
日、加、・・・ | 豪、英 |
経済成長とインフレを2軸とし4象限で考えるのは、ブリッジウォーターが伝統的に用いる手法だ。
同社の代名詞であるオールウェザー・ファンドなどでもこうしたアプローチを基礎としている。