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次に来る危機。現金を持っておけ:ジェフリー・ガンドラック

ジェフリー・ガンドラック氏は、現状の米市場について「至るところリスクが存在する」と語った。


現在のS&P 500の(シラー)CAPEレシオは37倍と、史上最高水準の1つに数えられる。
今より高かったのは1999年だけ、(ITバブル)崩壊直前であり、当時は今よりそう高くなかった。

ロバート・シラー教授によるCAPEレシオの過去最高は1999年12月の44倍強。
今年2月の同レシオは38倍弱である。

ガンドラック氏は、主戦場の1つであるクレジット市場でもクレジット・スプレッドがタイトだと話している。
ダブルラインでは、米国株・米フィクストインカムの両市場でほとんどバーゲンが見あたらない状態だとして、投資のリスク低減を図っているという。
ガンドラック氏は(本来なら理想的な分散投資となるはずの)S&P 500への投資について重要な問題点を指摘している。

「S&P 500保有が分散投資にならない点に達した。
あまりにも多くのお金が7銘柄に集中し、その多くが互いに高い相関を示しているためだ。」

理論的には理想に近い分散を実現するはずの株価指数なのに、その効果に疑問が持たれるほど銘柄の集中が進んでいるのだ。

厳しい投資環境の中でのポートフォリオ戦略について尋ねられると、第一声は実物資産だった。

「金はよい状況が継続するだろう。
私は宝石、金、不動産を保有している。」

ガンドラック氏個人の目下のポートフォリオは次の通り:

  • 実物資産: 全体の半分。
  • 現金等価物: 20%。
  • 株式・債券: 30%。米国以外の株式を米国株より選好。30年のホライズンでインド株。
    米国株は加重平均インデックスより単純平均インデックス。大型株より小型株。グロースよりバリュー。

こうした戦略の背景には、米金利の趨勢的低下局面が終わり、2022年より異なる市場環境が始まったとの考えがある。
ガンドラック氏はポートフォリオの2割を占めるキャッシュについて次のように語っている:

短期の、とても質の高いMMFを持っておこうと思う。・・・
FRBは利下げを急いでおらず、株式ほかはとても高い。
債券と公開株の両方について間違いなくよりよい買い場がやってくるだろう。


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