ビル・グロス氏が日々目まぐるしく変化する経済・市場環境に戦々恐々としている。
今はディフェンシブに構えるべきだという。
「前回、パイプラインMLPが天井を迎えたと警告したが、テック株に比べればはるかによいパフォーマンスだ。
私はまだポジションを40%持っている。」
グロス氏がツイートした。
Red carpet last night in Hollywood with inflated self-importance. Conan was great though!
Made me realize the days when I walked another colored carpet — guess it was some of the same.
At 81 it seems so unimportant.
Investing? I cautioned last time about MLP pipelines topping —…— Bill Gross (@real_bill_gross) March 3, 2025
グロス氏はパイプラインMLPについて先月初めに天井を打ったようだとツイートしていた。
ただし、売るべきとは書かず、多く持ちすぎなら減らした方がいいといったメッセージだった。
実際、本人も(米納税者にとって)税務メリットが得られる同商品をすべては売らなかったわけだ。
グロス氏は、経済の鈍化、関税の不確実性を指摘し、いずれも弱気材料と見ている。
弱気スタンスを示しつつ、自身の新たなポジションを紹介している。
「私は分配金利回り13%のAGNC(AGNC Investment Corp)のような、パススルーの適用される住宅ローンREITを保有している。
10年債利回りが4.25%の状況ではうまくいくだろう。
しかし、インフレが目に見えて上昇することなく利回りが低下するとは信じがたい。」
これまで米市場を強気にさせてきたのは、インフレが徐々に低下し、金融引き締めの必要性がなくなり、長めの市場金利も低下に向かうというもの。
政策金利・市場金利ともに低下することが、資産価格にプラスに働くとのシナリオだった。
しかし、インフレにも景気にも不安材料が出てくると、インフレ低下+ノーランディングという楽観シナリオの確率は低下していく。
これがグロス氏を弱気にさせるようだ。
率直に言って、毎朝、太平洋時間5時半に起きて、その日に市場他で何が起きるかを見るにつけ、びくびくしている。
ディフェンシブにすべきだ。