不確実な環境は不健全か?
マークス氏は、いわば人間行動学的・行動経済学的な投資家だ。
《中ほど少し上》という市場環境について、反語的な分析を述べている。
経験上現在が最も不確実だとみんなが言っているなら、私の中ではそれは健全だ。
不確実だと思わないといけない。
確実と思うなら、それこそ危険だ。
マークス氏の関心は、市場参加者らの行動に多く注がれる。
私にとって最重要なのは、データを持つことではない。
私にとって最重要なのは、その意味を知り理解することだ。
・・・サイクルにおける現在の位置を理解することにより、市場の体温を測っている。
恐慌を引き起こしたサブプライム危機では、表面化するまでサブプライム債権の存在さえ知らなかったという。
マークス氏が知ろうとしたのはサブプライム債権の詳細ではなく、市場の意識だ。
当時の市場がリスクに無頓着だったころから、危険な状況と読み取ったと話している。
注目する投資家と若い世代へのアドバイス
耳を傾ける人を尋ねられると、FPでも常連のチャーリー・マンガー、ウォーレン・バフェット、スタンリー・ドラッケンミラー、セス・クラーマンを挙げたほか、自問や批判的自省を多く用いていると話している。
また、年齢にかかわる話もいくつかしている。
まずは投資と年齢の関係。
「ほとんどの部分で、年齢は熟成をもたらすと考えている。
時とともに物事をもっと深く理解するようになると希望している。」
逆にこれから投資を志す若者へは、メリハリのあるアドバイスを述べている。
あなたが常に正しくないといけないと考える人物なら、投資家にはなるな。・・・
もしも知的パズルを解くのが好きで、上げ下げや気まぐれな誤りに耐えられるなら、投資は素晴らしい分野だ。
ただし、そのための哲学を備えなければならず、やり方を知っている人から学べる実習を受けなければいけない。