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競合を考えよ。公開市場の方が競合が小さい:ソロスファンド

ソロス・ファンド・マネジメントのドーン・フィッツパトリックCEO兼CIOが、いつものように気前よく現状のポジションに言及している。


「私は逆の方に賭ける。」

フィッツパトリック氏がBloombergインタビューの中で何度か口にした。
同氏は資産クラスや投資先候補について尋ねられる度、隠すことなく自身の考えを述べる。
もちろんそれが儲かる保証はないし、インタビュー時(先週)から変化しているかもしれない。
しかし、個々のテーマへの整理のしかた・思い切りのよさは、多くの投資家にとって参考になるのではないか。

勉強になるので原典に当たることもお奨めしたい。
以下は抄訳:

Q. トランプ大統領やスコット・ベッセント財務長官(ソロス・ファンドでCIOを務めた)の特に関税政策について

「消費者や企業の信頼感を制御することはできない。
今、その崖から落ちようとしているのだと思う。」

Q. 市場が織り込む年内3回の利下げ予想は正しいか尋ねられて

「私は逆に賭けている。・・・
最終的には政権はディールを成立させるだろう。」

Q. 米国債の需要喚起のために銀行の補完的レバレッジ比率計算から米国債を除外することになるのか?

「必ずそうなると思う。・・・
ベッセント長官は(どうすれば)どうなるか熟知している。」

Q. 米国債へのスタンス

「かなり大きく保有しているが、ベンチマークは少し下回っている。
1月の利回り急騰では買い、以降利回りが低下し価格が急騰しても益出ししていない。
ボラティリティ上昇時にポジションを積み上げることになろう。
ボラティリティは高止まりするだろう。
今回は金利低下だったが、今後4年ではそうならないだろう。」

Q. お気に入りのトレード

「短期トレードとして、昨年末、香港株指数のコールスプレッドを買い、今も選好し保有している。・・・
投資家は概して中国を見捨ててしまっており(逆に)中国市場に資金が戻ってこざるをえないだろう。」

Q. マグニフィセント7は買いか?

「現実に収益力を有する非凡な企業群であり、今の巻き戻しはかなり乱暴なので、逆のスタンスだ。」

Q. 国際情勢に根差したチャンス

「(ロシアに関し)トレーディングの観点から唯一注目する価値のある動向は原油だろう。・・・
トランプは原油を必要としている。・・・
彼が使えるのがロシアで、1つのワイルドカードは、ロシアがOPECを脱退することだ。」

Q. 米欧関係の悪化

「(軍事費拡大で)すぐではないが今後12-24か月で起こりうるのは、欧州における(国債)入札の未達だろう。」

Q. どの国?

「もっとも脆弱な2か国は英国とフランスだと思う。」

Q. プライベート市場に消極的な理由

「基準をかなり高くしてまだ最良の運用者への配分は残しているが、過去6年間プライベート・エクイティのポジションは償還時に回収してきた。・・・
同時に公開市場へ方向転換した。・・・
公開市場への長期的視点を持つなら、競合ははるかに小さい。・・・
わが社は過去5年間年率650 bpもの超過リターンを得てきた。」


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