ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏が、米国例外主義、米社会の分断について書いている。
社会が全体としてはかつてより豊かになったのに、どうして人々は不満を募らせ、互いに怒りを抱いているのか?
ダリオ氏が自身のSNSで、米国の「分断」について論じている。
一方でAIブームに沸き、株価は最高値を更新する。
一方で貧困・教育・インフレ・銃規制・政治等で問題を抱える。
「これこそ米国例外主義の偉大で最悪のありさまだ。」
ダリオ氏は現状を嘆き悲しみ、米国例外主義が起こった原因を列挙している:
1) 異例に発達した資本主義が成果と格差を与えた。
2) 異例に発達した法の支配が論争を解決する一方、公平性が疑問視されている。
3) 優れた米大学に留学し就職する優れた移民が革新的な米企業の従業員の半数を占める。
「当然の結果として、アメリカ人のトップ10%が所得の48%、資産の71%、納税の76%を占め、ボトム50%は所得の10%、資産の1.5%を占め、納税より多く受給している。」
ダリオ氏は「分断」を克服するのにリーダーの舵取りが重要と書いているが、そのトーンは(期待を込めつつも)多分に悲観的だ。
こうした分断は何も米国という例外だけの話ではない。
先進国において、貧困の問題は概して悪化しているのだろう。
世界の至るところで、少し前までは考えられないようなポピュリズムが支持されている。
滅亡した経済学によるならば革命でも起きるのだろうが、「納税より多く受給」する人たちにシステムをひっくり返す余力は残っていないかもしれない。。