ジェレミー・シーゲル教授が、心配されつつも史上最高値圏にとどまっている米国株市場について、潜在的な3つの脅威を説明している。
まだ警戒すべき兆候は見られない。
TeslaやDeepSeekで少々のひび割れがあったが、それだけだ。
これらは修復されるかもしれないし、より大きな利ザヤ収縮ストーリーの始まりとなるかもしれない。
後者なら、マグニフィセント7のような銘柄の多くに影響するが、そうなるかはわからない。
シーゲル教授がウォートンビジネスラジオで、米国株市場にはまだ悪い兆候は見られないと語った。
一方、シーゲル教授は米長期債について、長期金利とFF金利の差が17 bpと小さい点を指摘している。
「米10年債利回り4.50%はフロアだとまだ考えており、それが景気後退や大きな鈍化を押しとどめている。
・・・トレンドを見る限り、10年債にはまだ魅力を感じない。」
依然として金利が上昇トレンドにあるとの考えから、それが経済や市場を悪化させかねないとの指摘だ。
長期金利上昇なら、既存の長期債は価格下落となり、投資対象としても魅力に乏しいことになる。
現在の米市場に対する脅威について大きな順を尋ねられると、シーゲル教授は「すべてが脅威」と認めた上で「10年金利が5%を超えて上昇する、企業利益での失望、関税」の順だと答えた。
(最近までは関税と話していたが、関税の脅威はいったん遠のいたようだ。)
ただし、いずれの脅威についても最終的には企業利益の問題に集約していくことになる。
教授は、他の2つについては喫緊の脅威だとは考えていない:
- 追加関税の多くは猶予が与えられている。
- 長期金利の5%超えは財政赤字やインフレが悪い方に向かう場合に想定されるが、今のところは予想されない。
つまり、足下ですぐに起こりうるのは企業利益の鈍化・悪化ということになる。
特にMag7がPER 30倍超と高い今は、脅威は最終的には強いドライバーである企業利益だ。
それら銘柄についての利益率縮小や悲観が先に起こる可能性がある。