最近の内外株式市場の好調を支えているトピックにAIがある。
いかにも怪しげなブームだが、概して海外の投資家には好評のようだ。
こうしたバズワードは昔から株屋から重宝にされてきた。
かつては、分散化>クライアント/サーバ>ISP、ASP>SAAS>クラウド
最近も、セカンドライフ>メタバース
少し時間が経ってみんなの記憶が薄くなると、少々の変化・進歩をあげつらい、情報システム・ベンダーが新たな名前をつけ売込みを目論む。
証券界ではそれをセルサイド、バイサイドが囃し立て、投資家からお金を集めるのだ。
FRBの利上げ終了が近づいているとすれば、さらに、いつものルーティーンが繰り返すなら、株式市場は下げの可能性が高まっている。
それでも株式市場は楽観的であろうとする。
とりわけ米市場にはそうした傾向がある。
利上げが終わると、通常は最後のひと上げがやってくる。
今回はAIがその旗印になっているように見える。
もちろん弊社でもいくつか公開されている生成AIやAIチャットを試してみたが、正確さという面で問題が大きいと感じた。
厄介なのは、見かけ上とても良く書けていること。
下手な人間よりもっともらしい日本語を書く。
簡単なマルコフ連鎖ならすぐに見分けがつくだろうが、最近のAIは見分けがつきにくい。
仮にAIの出力の正確性が保証されず(おそらくそうなろう)、それを他のAIが入力として用いれば、際限なくゴミが増幅しかねない。
(もちろん、人間の書くものがゴミでないとは言えないが、やはり程度の差はあろう。)
読者がファクト・チェックせざるをえないが、それをやる人は少数派だろう。
やり方によっては、AIはフェイクの拡散器になりかねない。
それをある程度食い止めうるのは法令または訴訟だろう。
そうした制約の中でのAIの将来性はいかほどだろう。
(次のページ: アスワス・ダモダラン教授のAI評)