CNBCが13日、バリュエーション学長の異名をとるアスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授に、米株価水準の妥当性について尋ねている。
年初に今年のS&P 500を4,300-4,400と予想していた教授だが、現水準(13日で4,369.01)にはやや危うさも感じているようだ。
インフレの高止まりや景気後退の面でサプライズがあれば、ダウンサイドが大きくなりつつあるという。
逆に、現状の景気・インフレなら、現水準は許容できるとも話している。
これら株式は、常に価値を測られているのではなく、値付けされている。
ダモダラン教授は、NVIDIAとTeslaの株価についてこう表現した。
根源的価値とは関係なく株価が付いているとの指摘だろう。
教授はかつてTesla株でほどほどに儲けた経緯がある。
今回は、NVIDIA株が(AIへの熱狂もあり)上昇した5月末に半分を売却したという。
「この株価(400ドル)を正当化するには、NVIDIAはAI市場全体を支配していなければならない。
私はそういう賭けはしたくない。」
ダモダラン教授は、MicrosoftとNVIDIAがAIの恩恵を受けうることを認めつつ、株価への影響の妥当性には疑問符を付ける。
「ストーリーは意味をなすが、値付けはそうではない」と、効果が過大視されていると示唆している。
ただし、教授がAIを軽視しているわけではなさそうだ。
クラウドやメタバースの事業性についてチクリとやる一方、AIは「会話を変える」と前向きなトーンで語っている。
それが生活や仕事のありようを大きく変え、株価評価へも影響を及ぼすと話した。