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米経済の実相、真のNo.1経済とは:ジェフリー・ガンドラック

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏のCNBCインタビュー(既出)ビデオの長編版が会社から公表されている。
興味深いところをもう少し紹介しよう。


「経済指標によって大きく相反する結果が見られるが、これは極めて一貫性のない経済のためだ。
・・・経済のある層は需要に基づいて消費を行う人々だが、彼らは押しつぶされている。
必要とするものの価格がまだとても高いからだ。」

ガンドラック氏が、米社会の経済的分断を指摘した。
この高名な投資家は庶民の視点も有し、米社会のスクエアな観察を述べ、不気味に予想を的中させる時がある。

「インフレ率はライフスタイルに強く依存する。・・・
人々が体験するインフレ率は、インフレ指標、平均とは大きく異なる。」

ガンドラック氏は、低所得者層が体験するインフレがCPIより過酷な一方(FRBも触れるように)富裕層は資産効果で恩恵を受けていると指摘した。

状況は太平洋の反対側でも同じようだ。
日本との違いについて、米国では賃金上昇率が高く実質賃金がプラスだとの指摘があるが、それは平均についての議論にすぎない。
弱い者(それは社会においてかなり大きな人数を占める)は、政策決定者が口にするインフレ指標よりはるかに大きなインフレを感じている。
日本では欧米より低いインフレしか起こらなかったとされ、総合ではピークでも4%あまり、コアコアではもっと低いとされていた。
しかし、当時庶民が感じたインフレはゆうに2桁だったはず。
庶民が体感するインフレとは、円安にともなう強烈な輸入物価上昇の煽りを受ける食品などの影響が大きいが、残酷にもこの数字を当局は除外したがるのだ。

暗い話ばかりでもよくないので、明るい話も1つ紹介しよう。
ガンドラック氏が近年続けているインド推しの話だ。

バイデン政権、大統領自身は、米国が世界最強の経済と繰り返しコメントしてきた。
これは明らかに真実ではない。
おそらくインドが最強の経済だ。
少なくとも現時点と将来、インドの製造業経済は大きな追い風を受け、人口動態が大きな追い風となる。
だから、インドは私のNo.1の長期バイ・アンド・ホールドなんだ。

インドではモディ首相率いる与党が総選挙において予想ほど議席数を取れなかった。
この結果を受け、高まっていたインドへの投資熱がいくぶん冷めたとの見方もあった。
しかし、ガンドラック氏の長期ホライズンではインドへの熱意にいささかの曇りもないようだ。


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