モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏が2025年の米国株市場について、セクターと金利の観点から解説している。
消費者と企業は2025年にかけてより楽観的な感覚を持っている。
しかし、関税にかかわる不確実性やまだ上昇している物価水準は、2016年の選挙後に見られたような熱狂を抑制するだろう。
ウィルソン氏が自社ポッドキャストで、企業・消費者・投資家の心理調査についてコメントした。
総じて楽観が続いているとしたものの、裏を返せば、3者のうちで投資家が一番抑え気味だったということだろう。
同氏は2016年ほどのアニマルスピリットの高まりがない理由として、金利が上がったこと、財政が悪化したことを挙げている。
2016年ほどではないにせよ、ウィルソン氏は強気だ。
(同社の2025年末のS&P500目標は6,500。)
シクリカルを選好し、中でもクォリティ銘柄、規制緩和の恩恵を受けるセクターを推奨している。
セクターとしては、金融、ソフトウェア、公共、工業だという。
ウィルソン氏は、株価と金利の間の相関について、いくつか観察される点を紹介している。
- S&P 500と債券利回りはいまだ正の相関。よいマクロ・データが金利上昇と株価上昇を生んでいる。
- シクリカルとディフェンシブで挙動が異なる。シクリカルは(素材を除き)正の相関、ディフェンシブは(公共を除き)負の相関。
- シクリカルは、金利が上昇しても低下しても下落傾向に転じる可能性がある。長期金利のスイートスポットは4.0-4.5%。
10日の米10年債利回りは4.24%近辺。
ちょうどスイートスポットの真ん中にある。
これを外れた場合、原因によっては株価を下押しするという。
ウィルソン氏は、下押ししないセーフとなるケースを説明している。
「このレンジ以下の金利は、FRB利下げが大きな経済鈍化なしに行われる場合、確実に許容されるだろう。
このレンジ以上の金利も、金利上昇ペースが抑制的で、タカ派FRBやインフレ上昇より強い名目成長率が原因の場合、許容されうる。」
最後にウィルソン氏は12月のアノマリーについて紹介している。
12月はクリスマス・ラリーと言われるとおり、統計上、米国株にとってよい月だ。
注目すべきは、(上昇)パフォーマンスのほぼすべてが月の後半であること。・・・
このパフォーマンスは、先述のとおり小企業で大きい選挙後の信頼感急騰により、さらに向上する可能性がある。