ショートセラー ジム・チャノス氏が、トランプ関税前までの市場のリスクの高まりを指摘し、金融詐欺の表面化を心配している。
過去1年半リスクは、バリュエーションの面でも投機の面でもエスカレートしてきた。
私のキャリアで最も投機的だった2021年の再現のようだ。・・・
必要だったのは、風船を破裂させるピンだけだった。
チャノス氏がOn The Tapeのインタビューで語った。
同氏によれば、市場の先行きを予想するのは至難の業だという。
しかし、リスクが増えたか減ったかは把握しやすく、リスクが高まっていると投資で損をする確率も増えるのだという。
チャノス氏に言わせれば、トランプ関税は(悪材料でもあったが)起こるべくして起こった下落のきっかけだったのだろう。
チャノス氏は以前からイェール大学ほかで金融詐欺の講義を受け持っている。
同氏は2020年、当時を「詐欺の黄金期」と名付けたが、事態はさらに悪化しているという。
チャノス氏は従来からの金融詐欺についての観察結果を繰り返した。
トランプ政権の最近の政策で事態は悪化している。・・・
(監督機関の弱体化は)市場にパトロール警官が不在だと発信している。・・・
詐欺のサイクルは金融サイクルに遅れて追随する。
チャノス氏はこれまでもこの観察結果を何度も口にしている。
価格が上昇している時は被害者は詐欺を疑わず、お金を預け、詐欺師の資金繰りは順調だ。
しかし、価格が下がりだすと、詐欺師の元にお金が集まらず、資金繰りに窮し、詐欺が発覚し、ようやく当局が動き出すという。