ゴールドマン・サックスが金価格のモメンタム継続を予想している。
投資対象としての金に関心がある人はそう多くないのだろうが、金価格上昇が市場・経済の何かを表しているなら、話だけは聞いておこう。
ある面(金価格上昇は)かなり奇妙な現象だ。
金利上昇は通常は金にとってマイナス要因だ。
ゴールドマンのニコラス・スノードン氏が自社のポッドキャストで話した。
金のような資産は、金融資産に喩えるならクーポンのない永久債のようなもの。
償還期限のとんでもなく長い割引債をイメージすればよい。
こうした資産は金利上昇で価格低下し、金利下落で価格上昇する。
実際、過去はそうだった。
金先物価格(青)と米長期金利(赤)
顕著に変化したのは、パンデミック後の金融引き締め期の金利上昇だ。
FF金利だけでなく長期金利も大きく上昇したのに、金は必ずしも下げていない。
しかも、ドル高にもかかわらず金価格(ドル建て)は好調だ。
スノードン氏は、特に今年に入って金利上昇とともに金価格が上昇している点に注目する。
上昇は「恐怖」によるものだとし、需要家別の「恐怖」の中身を解説している。
- 新興国の中央銀行: 地政学的リスク、制裁
- アジアのリテイル投資家: 不透明な経済、通貨下落
スノードン氏はこれら要因の性質から、金需要の方向性を占っている。
私たちはこれらが長期的な力学であり、金の堅い需要を支えると見ている。
仮に金利が高止まりしても、金価格の強気のモメンタムが継続すると予想している。