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分散はよい意思決定に勝る:レイ・ダリオ

ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏が、読みにくい環境での分散投資の重要性を説いている。


分散の力は、よい意思決定の力にさえ勝る。
もしも相関のないよいリターン・ストリームを見つけられれば、リターン/リスク比率を5倍に改善できる。

ダリオ氏が5日、香港で開催されたフォーラムに寄せたビデオで語った。

オールウェザー戦略で有名なダリオ氏にとって、分散投資はまさにお家芸。
難しい市場環境にある今だからこそ、決め打ちより全方向への備えの方が有用と言いたいのだ。
国、資産クラス、通貨など幅広い分散が必要とされると話している。
いずれも既出の話題だが、久しぶりに再訪しておこう。

国の分散については3つのポイントがあるという:

  • 国のI/S・B/Sは健全か。
  • 優れた指導力の下、健全な競争、生産性上昇のための協力が実現しうる環境か。
  • 戦争にかかわるリスク: 勝ち組、負け組、中立。
    中立は勝ち組よりパフォーマンスがよい。
    勝ち組でさえ悲惨な人命・破壊・金銭的コストを払う。

中立国としてはアセアン諸国、インド、湾岸諸国の一部を挙げている。
また、米国への投資も継続すべきと付け加えた。

資産クラスについては、「債務性資産が適切なリターンを提供できるか心配している」という。
「典型的なサイクル終期のインフレ的帰結」として、各国で莫大なマネタイゼーションが行われてきたためだ。
では「適正なリターン」とはいかほどか。

現在、約2%の実質リターンが必要とされている。
・・・
それが維持できれば、債務スクイーズが発生しないですむだろう。

先月末の時点で10年米物価連動債利回りは2%を超えていた。
一方、日本の物価連動債利回りはマイナス圏に沈んだまま。
これだけ見れば、米国債は合格で、日本国債は不合格に見える

ダリオ氏が米国債を例外とせず、「債務性資産」をひとまとめに選好しないのは、米インフレの再上昇または米名目金利の低下を見込んでいるためだろう。
同氏は株式を選好するとしたほか「米ドル・ユーロに次ぐ3番目に大きな準備通貨」である金を「代替的マネー」としてポートフォリオに組み込むことを奨めている。

新たなテクノロジー分野での分散も重要とし、米中以外にも選択肢が存在すると話している。


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