GMOの共同創業者ジェレミー・グランサム氏が、お得意の皮肉たっぷりに2024年の投資環境を概観している。
「私は、今四半期または今年の戦術的、短期の見方と本当に重要な長期のことを区別している。」
グランサム氏がETF Trendsのインタビューで語った。
現状をバブルと考える同氏からすれば、バブルを支える短期的要因と混同することなく長期的な投資テーマを考えたいという思いなのだろう。
グランサム氏は「本当に重要なこと」を3つ挙げている:
- AI: インターネットと同様の大きな前進で、それがまずバブルを生み、それまでのバブルの崩壊過程に重なった。
- 人口動態の悪化: 売上を制御しつつ下げていくのは「粗暴」。「日本はそれを見事にやり遂げた。」
- 気候変動・資源制約: 対策に先行投資が必要で、投資機会が割引率上昇の影響を受けやすく「短期的に過剰反応」している。
投資機会については、従前どおり、米国以外が割安に見えるという。
従前どおり、新興国市場、日本、米クォリティ株、資源に言及した。
日本は最近よい状況にあり、企業システムの着実な有効性改善の途上にあるように見える。
日本はいつも遅れていたが、追いつきつつある。
他国が人口問題に直面する中で、日本は30-40年早く経験し、すでに順応している。
グランサム氏は、好きな格言を尋ねられ、英国の経済学者ケネス・ボールディングの言葉を紹介している。
『有限の世界で指数関数的成長が永遠に継続すると信じるのは、狂人か経済学者だけだ。』
あいたたた。
経済学者はもちろん狂人だが、投資家にも少し似たところがある。
理論的投資家が用いるDCFでは、指数関数的とはいわないまでも定率成長を仮定することが多い。
資源に制約がある世界で(技術革新や社会・生活の変容がない場合)この前提は確かにナンセンスだ。
グランサム氏は皮肉たっぷりに遠慮なく経済学者をディスっている。
「経済学者は長期的に考えず、資源制約を考えず、エネルギーを考えない。
私たちはもう数十年この言葉が真実であると学んでいる。
これは、これまで聞いた中で最も恐ろしい経済のきしみを引き起こすだろう。
それを祝うように、経済では、米株式市場においてこれまでで最も極端なパーティが開かれており、興味深い皮肉だ。」
とげとげのイギリス英語を逐語に正確に訳すのは簡単ではないが《経済学者がバブルを生み出し悪いことが起こる》と言いたいようだ。