パーシング・スクエアのビル・アックマン氏が、投資における心理面の重要さを語っている。
彼(バフェット氏)から学ぶべき重要な点は、投資には信じられないほど感情に左右されない情緒的性質が要求されるということ。
極めて経済的に合理的でなければならない。
これは基本的なこと、ジャングルで学べることではない。
アックマン氏が3時間半に及ぶ長いインタビューの中でウォーレン・バフェット氏から学んだことを語った。
アックマン氏はバフェット氏を「私の教授」と呼び尊敬している。
メディアからベビー・バフェットと呼ばれるほど、バフェトロジーを学んでいる。
投資について最初に読んだ本はベンジャミン・グレアムの『賢明なる投資家』だったというが、すぐに、1950年代半ばまでさかのぼりバークシャー・ハザウェイ年次報告書に載せられたバフェット氏からの書簡を読み込んだという。
多くの優れた投資家が、投資の技術的な面だけでなく心理的な面を強調する。
アックマン氏が「ジャングルで学べることではない」と語った真意はなんだろう。
ジャングルで生き残ろうとする時、ライオンが現れ、みんなが逃げ出したら、一緒に逃げるだろう。
市場ではこれはうまくいかない。
概して逆をやらないといけない。
レミングが崖から飛び降りていたら、その時こそ逆を向いて走り、とても安い価格で株を買わないといけない。
アックマン氏は、バフェット氏が長いキャリアの中で適切に逆張りを行い成功を収めた点を称賛している。
感情に流されてはいけないし、ただ逆張りをすればいいわけでもない。
「(バフェットが気質と呼ぶのは)ある種の感情的、あるいは感情的でない性質であり、世界を感情に左右されずに見てOKを出せなければならない。
これは本当のリスクなのか、それともみんな過剰反応しているのか?
人は、株が上昇している時に興奮し、下落している時に落胆する傾向があり、これは人間に備わったものだ。
これを反転しなければいけない。
安くなった時に興奮し、高くなった時に心配しないといけない。」
単純な逆張りでなく、適切に逆張りを行うにはどうすればよいか。
人々がパニックまたは熱狂に包まれているように見える中、それが正しい動きなのか過剰な動きなのかを見極めるには何が必要だろうか。
アックマン氏は2つのポイントを挙げている。
- 投資家自身の財務的安全: 合理的な分析を行うための余裕を確保すること。
1つ間違えば家を失いかねないような賭けをしないこと。 - 投資対象の理解: 「タコ」ができるほど投資対象を学んでおく。
「短期的にはどんな株価でも付く可能性がある。
その企業の価値を知り、経営陣をよく知っているなら、株価が下落しても心配しない、または大きな影響を受けないだろう。」
アックマン氏は自身について、とても感情的な人間だと認めている。
しかし、投資については感情的でなく、ボラティリティに対して免疫があり、それが投資家としての強みになっていると分析する。
こうした考えから、一般の投資家についても3つの点を奨めている:
- 失ってはいけないお金を投資するな
- 短期的な価格変動を気にするな
- レバレッジをかけるな
一般投資家にも心理面の重要さを説いている。
信用取引をせず、本当に質の高い企業を保有し、それが短期的に使う必要のないお金なら、その投資に対し思慮深くなれ、大きな優位になる。
大多数の投資家は、下落でパニックし、市場がいい時に有頂天になる傾向がある。