バークシャー・ハザウェイの2023年度年次報告書に掲載されたウォーレン・バフェット会長から株主にあてた書簡: 市場も家もカジノ。
極端な財務上の保守主義は、バークシャーのオーナーとなられた方たちへの会社としての約束だ。
ほとんどの年、実際にはほとんどの10年間で、私たちの用心は不要な行動で終わる。
バフェット氏が株主あて書簡で書いている。
バークシャーを信頼しお金を預けてくれた株主に「恒久的な財務上の損害を与えたくない」との気持ちが述べられている。
機関投資家として偽りのない思いだろう。
それと同時に、この「保守主義」はバフェット氏の得意技の前提にもなっている。
今回の書簡では、それに関連する記述がいくつか見られた。
「しばしば市場または/かつ経済は、ファンダメンタルズのよい大企業の株式・債券に大きなミスプライスを引き起こす。
実際、1914年の4か月や2001年の数日のように、市場は予期せずして急停止し、消滅さえしうるものであり、またそうなる。
もしも今の米投資家が過去より安定的になったと信じるなら、2008年の9月を思い出せ。
速い通信と驚異的なテクノロジーは瞬時に世界中に麻痺を広める。
発煙筒が炊かれてから長い時間が経った。
そのような瞬時のパニックは度々起こることではないが、それは起こる。
市場の急停止におけるバークシャーの即時の対応力(巨額を確実に拠出できる)は、時々の大規模なチャンスを与えてくれるだろう。」
この内容自体はこれまでもバフェット氏本人やウォッチャーらが言及してきたことだ。
しかし、今回の書簡ではより具体的な記述になっているような印象だ。
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