ジェレミー・シーゲル教授は今日もブルだ。
雇用統計、FOMC、米国株、米国債についてコメントしている。
雇用統計はよい数字だった。
シーゲル教授が8日発表の雇用統計についてコメントした。
1月の雇用統計は非農業部門就業者数や平均時給が市場予想を大きく上回り、経済の強さを印象付けた。
その中でシーゲル教授は労働時間が急低下した点に着目し、景気後退でしか見られない現象と不整合を指摘した。
月が明けて、2月の雇用統計はこうした奇妙さはなくなった。
- 非農業部門就業者数前月比: 275千人(市場予想200千人)
- 失業率: 3.9%(前月比+0.2%ポイント)
- 平均時給の伸び: 前月比+0.1%、前年同期比+4.3%
失業率が0.2%ポイント上昇した点について、シーゲル教授は3%台ならまだ良好とコメントしている。
教授は4.0%が警戒を始めるべきしきい値だとし、仮にそうなればFRBに利下げ圧力を与えるという。
今回の賃金統計に加え、来週のCPI、PPIがよければ、FRBは5月に利下げを行うと予想した。
市場に関しては、シーゲル教授は最近の関心事を繰り返している。
金、ビットコイン、NVIDIA、おそらく他の株にもモメンタム・プレーヤーが集まっている。
これは極めて初期だ。
大きな『64ドル問題』は、他の誰も答を持っていないが、今が1996-97年の再来なのかだ。
2000年3月に弾けたドットコム・バブルの再来となるのか、それはわからないが、再来だとしてもまだピークまでは遠いとの強気見通しだ。
「64ドル」とは1940年代のラジオ・クイズ番組。
最高賞金が64ドルだった。
「64ドル問題」とは超難題の意味で、年輪を感じさせるボキャブラリーだ。
ちなみに1950年代、同番組の最高賞金は一気に1,000倍の64,000ドルに引き上げられた。
こちらはかなり大きな金額だ。
シーゲル教授はいつものようにS&P 500のPERを整理している:
- 全体: 21倍
- グロース・セクター: 30倍
- バリュー・セクター: 16倍
大きなギャップがあるのに拡大してきた。
ドットコム・バブルでは当然もっと大きなギャップがあった。
バブルに発展するかどうかわからないといいながら、こうしたコメントをするのは、周囲で関心が高まっており、シーゲル教授もそこそこの確率を見ていることの表れではないか。
その他、注目点:
- ソフトランディング/ノーランディングなら恩恵を受ける小型株に期待。
- NYCBの信用不安問題はシステミックなものでない。
- 金利の長期見通し:
シーゲル教授 ドットプロット 中立金利 1.5%+ 0.5% インフレ 2% 2% FF金利 3.5-4.0% 2.5% 10年債利回り 4.0-4.5% 物価連動債利回り 1.5-2.0% 次のFOMCでドットプロットはタカ派側に動くと予想。