ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏が今年録音したポッドキャストがブリッジウォーターから公表されている。
米国は(米国債への)需要増を必要としている。
政府予算はさらに歳出が増えるだろう。
ダリオ氏が、財政悪化による金利上昇を心配した。
ダリオ氏は防衛費、気候変動、南北問題を例に、国際的に見ても政府支出には上向きのリスクが加わっていると指摘した。
国債発行が増える一方で利払い・償還の負担が増えれば、債券需給が悪化すると予想した。
「これが典型的なスクイーズを生むことになる。
私は多くの国々でこれを見てきた。・・・
債務性資産の保有にはリスクがあることを認識すべきだ。
(国際)対立自体が新たな大きな(資金)需要を生んでしまう。」
さらに、ダリオ氏は国際決済の問題も表面化すると見ている。
過去の戦争を振り返ると、たとえ同盟国同士であっても、他国の通貨は受け取らなくなるものだからだ。
みんな、国がどんどん借金漬けになり、おそらくマネタイズせざるをえなくなることを知っている。
みんな、最後にどうなるかはわからない。
すでに私たちは世界大戦の中にいるのだろうか、と思わせる予想だ。
もっとも、どこぞの首相が米議会で話した内容は、大戦前夜を思わせるものだった。
もしも、ダリオ氏の観察が正しいなら、日本は米国債を抱えてはいけないはずなのだが・・・
ダリオ氏はポッドキャストの中で均衡状態の名目金利について、インフレ2.5-3.0%、実質金利2.0%として4.5-5.0%と推測し、市場金利はほぼ均衡水準にあると述べた。
(FRBはインフレ2.5-3.0%を受け入れざるをえなくなるという。)
一方、足元のインフレは均衡よりまだ高い状況にあり(録音時)金融政策は緩和的すぎると話している。
したがってインフレに上方リスク、債券需給でも金利上昇リスクがあることになり、金利の方向性を上向きと見ていた。