ジェレミー・シーゲル教授が安定の強気予想を継続し、合わせて米国株の長期リターンについて語っている。
この強気相場はまだ終わっていないし、テックでさえもまだ終わっていない。
再びバリュー株が強い日々がやってくる。
金利が上がろうが、地方銀行がスクイーズされようが、その恐れが中小型株に影響する心配があろうが、バリュー株が大きくアンダーパフォームすることはなくなる。
シーゲル教授がウォートン・ビジネス・ラジオで、強気スタンスを継続した。
大手テック株にも及んだ最近の調整・下げは長い目で見て「健全」との考えだ。
シーゲル教授は長く市場全体に関し強気のスタンスを続けており、これは(米市場としては当たり前だが)ほぼ当たった予想だ。
一方、長く長くバリューのアウトパフォーマンスを予想し続けてきたが、これは概して外れてきた予想だ。
いつか予想の両輪が当たるようになるのか。
シーゲル・ファンの間でも意見の分かれるところだ。
この日のゲストはテクニカル・アナリストだった。
16-18年の長期サイクルに興味があると話し「理論的にはS&P 500は2030年代半ばに14,000に到達しうる」との考えを述べ、シーゲル教授に見解を求めている。
教授の答は、著書でも述べられているとおり、温故知新だ。
「過去を振り返ると、実質リターン6%にインフレ2-3%で(名目リターン)8-9%となる。
配当を引くと6-7%となり、これが名目の(株価)インデックス(のリターン予想)になる。
インデックスが6-7%で回るなら約10年ごとに倍になる。
・・・ありうるかもね。」
10年で倍になると仮定すれば、2034年にS&P 500は10,000になると計算される。
14,000まであと4割だ。
実質リターンまたはインフレが上振れすれば2030年代半ばでの到達はありうるのだろう。
ただし、シーゲル教授はもう少し控えめだ。
長期データより現在のPERが少し高い分、私は過去の長期間の歴史より少し保守的だ。
私は実質リターンとして6-7%より5-6%を予想している。
これは、シーゲル教授のインフレ予想とも関連している。
教授は、足元の米インフレのトレンドは順調と見ているが、先々は「燃え上がる」可能性が残っていると話している。
(これは、ニフティフィフティ後と同様、実質リターンにどちらかと言えば悪影響を及ぼすのだろう。)
日本人はもう1つの要素を頭の片隅に置いておくべきだろう。
それは、円だけでなくドルもまた弱含みが予想される通貨だということ。
何が信頼のおける反対通貨になるのかは混沌としているが、将来、長い目で見て円安ドル安が継続または定着する可能性があることも留意すべきだろう。