古い読者から最近の記事について指摘をいただいた。
ブリッジウォーター関連の記事についてだが、《定点観測ができていない》との指摘だった。
見返してみると、確かにそのとおり。
そもそも定点観測のために立ち上げたサイトだけに、反省することしきりだった。
指摘されたのは、ブリッジウォーターのカレン・カーニオルタンブール氏の発言の記事。
同氏は外国株投資のリターンを株価と為替に分けて論じている。
ブリッジウォーター創始者レイ・ダリオ氏は、長期債務サイクルが終期に近づいたとの考えから、貨幣増発にともなう貨幣価値の低下が起こりうると予想してきた。
こうしたリスクのある市場環境では、投資のリターンは名目資産価格では正しく測れないとし(インフレ調整後の)実質価格を見るべきと話している。
あるいは、他に価値の安定した通貨があれば、その通貨建てで見るのも一法だろう。
さて、本題に戻ろう。
最近カーニオルタンブール氏は、外国勢にとっての米国株と日本株のリターンを論じている。
外国勢の米国株投資:
ドルを押し上げる米国の「オランダ病」:ブリッジウォーター
「その利益の可否を決める主要因は株価であってドル相場ではない。
ドル相場はパフォーマンスにおいてはおまけだ。」
外国勢の日本株投資:
外国勢にとっての日本株リターンの源泉:ブリッジウォーター
「日本株は、もしも為替エクスポージャーを考慮し、それを取りたくないとしていたなら、驚異的で信じられないほどのパフォーマンスだった。」
つまり、外国勢が日米株式に投資する場合のリターンの主役が、米国株では株価、日本株では為替ヘッジにあると言っているのだ。
もう少しあからさまに言うと、それぞれ、米国株高、円安、である。
米国株は株高に期待しているから、ドル高でも買われる。
日本株はそうでなく、為替ヘッジが大きな妙味になっている。
まだ円高期待で買われるならわかるが、円安ヘッジが妙味とは救われない気持ちになる。