ジェレミー・シーゲル教授の週次ポッドキャストの内容: 雇用統計、FOMC、株式・債券市場について。
概ね従前から変化はない。
1日発表の10月の米雇用統計は
- 非農業部門就業者数前月比: 12千人(市場予想100-113千人)
- 失業率: 4.1%(前月と同じ)
- 平均時給: 前月比+0.4%、前年同月比+4.0%
ストやハリケーンの影響もあり、就業者数は予想を大きく下回ったが、市場の関心はすでに来週の選挙の方に向いているようだ。
米国株は小幅上昇、米国債は下落(利回り上昇)で反応している。
この結果に対し、シーゲル教授はウォートンビジネスラジオで「強い結果ではなかった」と総括した。
FRBが来週25 bp利下げするのに丁度よく、みんなが景気後退を心配するほどは弱くなかった(笑)。
株式にとってのスイートスポットに当たったようだ。
シーゲル教授はゴルディロックスという言葉こそ使わなかったが、市場が再び《いいとこどり》を始めたと思って笑ったのだろう。
教授自身の見方としても、景気後退もインフレも心配する必要のない結果だったと語っている。
その他、注目の発言:
- 6-7日のFOMC: 25 bpの利下げを予想するが、初回50 bpだったこともあり停止の可能性も。
- インフレ: (景気)敏感なコモディティ価格はこれ以上は下げないかもしれない。
住宅、家賃への下押し圧力は終わった様子。 - 金利の平衡状態:r*と(長期均衡での)インフレ2%の和は3.5-4.0%と予想。
通常の金利の構造であるタームプレミアムは1.0-1.5%。
長期金利は4.5-5.5%と計算される。
シーゲル教授は、長期金利の方向性を上向きと考えながらも、株式への強気スタンスを崩さない。
この強気相場は本当に強い。・・・
大量のヘッジがなされており、ある種の決着が想定されている。
・・・私には、市場が上昇を続けないとは思えない。
・・・短中期では、株式の強気相場は、引き続き債券の弱気相場を意味しそうだ。