アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、マグニフィセントセブンや米国株市場の水準についてコメントした。
同教授は《バリュエーション学長》の異名をとり、Mag7や著名IPO銘柄の株価評価、株価評価のための基礎的パラメータを継続的に推計・公表している。
「(Mag7)各社を見渡すと、上にも下にも抜け出していない。
注意すべきはナラティブの変化だが、まだ変化は起こっていない。」
ダモダラン教授がCNBCでMag7の現状について尋ねられてコメントした。
各社ともに業績開示シーズンを無難にこなしたものの、(NVIDIA等を除けば)AI関連事業の収益化の可否はまだ不透明だと指摘。
大きな変化が起こるには、AIほかについてのナラティブの変化が必要との考えだ。
ダモダラン教授は、今後の米市場について感触を語っている。
市場とは常に年15%の利益拡大予想を織り込むものだ。
それが実現するには、あなた方が話してきたよいことがすべて実現する必要がある。
・・・たとえ選挙後によいことが起こったとしても、そうなるとは思えない。
ダモダラン教授は、よい話はすべて市場に織り込まれており、人々の期待ほどには株は上がらないと感じているようだ。
また、今後の株式市場について、FRBが牽引役となることはないだろうとも話している。
ダモダラン教授は、米国株市場が調整に向かう場合のシナリオについても予想を語っている。
調整が起こるなら、市場の他の銘柄が上昇する中でMag7が落ちこぼれるのではなく、市場(全体)が調整するのだろう。
ダモダラン教授はかねてより、Mag7だけが割高だとは限らず、これら企業にはある程度の業績の裏付けがあると指摘してきた。
経済が《勝者総取り》の構造を強め、自然と株式市場にもそれが伝播しているという考えだ。
その一方で、米国株市場全体については株式リスクプレミアムが歴史的低水準にあると指摘。
全体として割高になっている可能性を警告してきた。