モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は、S&P 500が年内に6,100まで上昇しうると話している。
合わせて、これまであまり語られることのなかったアップサイドの可能性について指摘している。
強気シナリオでは(S&P 500)6,350だ。
前回の出演で話したが・・・もしも共和党スウィープとなれば・・・おそらく年内に6,100と予想した。
今はその過程だ。
近いうちにそれ以上上がるかと言えば、少し難しいだろう。
ウィルソン氏がBloombergで、S&P 500が年内に6,100まで上昇しうると語った。
強気シナリオの6,350は来年5月のターゲット。
今年のウィルソン氏は冴えている。
以前はやや弱気すぎて予想を外すことがあったが、今年はうまくセクター/ファクターを予想している。
FRB利下げが迫った8月には、悪いニュースが悪く受け取られるようになるとして、クォリティ、ディフェンシブ有利と予想していた。
9月の利下げ開始後にはディフェンシブを中立に格下げし、大型のクォリティ・グロース、シクリカルを推奨した。
ウィルソン氏はアップサイドについて、新政権人事の中からヒントを出している。
新たなニュースは、政権がどれだけ政府の効率化に真剣かということ。
イーロン・マスクやヴィヴェック・ラマスワミをそのプログラムに引き込もうとしている。
彼らは本当の商売人で、私はワクワクしている。
ウィルソン氏が政府効率化に期待するのには背景がある。
同氏は従前、米社会で労働力と資本のクラウディング・アウトが起こっていると心配していた。
これが成長と株価に悪影響を及ぼしかねないとの心配だった。
今回の政府効率化の話題は、ウィルソン氏いわく「困難な道」ではあるが、それを逆転させるかもしれない可能性を示している。
短期では経済鈍化の要因となるが、長期的に望ましい政策だという。
以前、日本でもよく《行革》という言葉が用いられた時代があった。
財政が苦しければ、政府を効率化し、政府の役割を絞り込むべきとの考えだった。
しかし、今ではこの言葉を聞くことはほとんどなくなった。
民間より地位を手厚く守られた公務員が、民間より高い報酬・退職金・年金を受けても、誰も問題にしようとしない。
政府の自浄作用を諦め、みんなが自分の分け前を増やすべく、バラマキを望んでいるようだ。
同じ財政悪化に苦しむ国でも、さまざまなアプローチがあるものだ。