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アスワス・ダモダラン インド株より米欧株の方がよい:アスワス・ダモダラン

アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、インド株投資について自身の見解を語っている。
故郷インドに対してでも考え方のプロセスがまったくブレていない。


率直に言って、私にはインド株に投資するのは難しい。
市場はインドの(サクセス)ストーリーの問題点を過小評価している。
市場は、インドのストーリーがさしたる努力もなく実現するかのようにインド市場に値付けをしている。

ダモダラン教授がThe India Opportunity Podcastで、インド株の割高感を語っている。
教授は決してインド経済の今後を心配しているわけではない。
実際「インドのストーリーは信じられないほど強く、インドが正しい道を進む限り、次の10年はインドの10年になると信じている」とも語っている。
しかし、そのストーリーにも現実には落とし穴が存在し、順風満帆の成功にはならないと考えているのだ。

ダモダラン教授は進化したバリュー投資の実践者と言える。
単純な倍率による投資判断でなく、丁寧な将来予想から得られる価値評価に基づく判断を重視する。
価格と価値が異なるものである点を強く意識し、使い分ける。
バリュー投資では《価値>価格》を判断の条件とするが、そうでないトレーディングを否定するわけではない。
ただ、現在のインド株については、従前の意見通り、価格が高すぎると考えている。

インド株の値付けや、リスクフリー投資に対するリスクプレミアムを見ると、私にはインド株のリスクプレミアムが欧州と比べ、米国と比べても、魅力的に見えない。

ダモダラン教授は従前から、PERが金利・成長率・キャッシュフローを勘案していないことを問題視している。
(これが、前世紀のバリュー投資の問題点でもあった。)
このため、株式リスクプレミアムを重視している。

ダモダラン教授は、インド市場全体が割高であり、その中から割安銘柄を探すことも難しくなっていると指摘する。

「割安なインド株がないとは言わないが、それを見つけるのがはるかに難しくなっている。
インド人投資家がなぜそれに気づかないかと言えば、みんな価格を考えているからだ。
価格を見れば、常に半分の銘柄は割安、もう半分は割高に見えるから、(割安株を見つけるのが難しいことに)気づかない。」

つまり、インド株はインデックス投資も個別株投資も分が悪いということになる。


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