オマハの賢人ウォーレン・バフェット氏が、バークシャー・ハザウェイのウェブサイトで自身が築いた財産にかかわる考えを公表している。
保有するバークシャー株を家族が運営する4つの慈善基金に寄付することにともなうリリース。
94歳のバフェット氏はこれまでも継続的に直接・間接に慈善活動へ莫大な額の寄付を行ってきた。
それでもForbesによれば世界第6位の富豪だ。
お金をたくさん持つことには、常人には想像もつかない苦労があるらしい。
家族に恵まれたバフェット氏は自ら幸運だったと吐露しているが、一方で、悲惨な人々も見てきている。
「長い間、チャーリー(・マンガー)と私は、死後の遺言執行により多くの家族がバラバラになり、残された相続人が混乱し、時に怒るのを見てきた。
嫉妬が、子供時代に軽視を受けたという現実あるいは思い込みとともに増幅される。
特に、金銭または重要視において息子を娘より優先した場合そうなる。」
周囲の裕福な家族で起こる不幸を目の当たりにし、バフェット氏はそうならないためにあることを実践してきた。
それをこのメッセージの中で世の両親に勧めている。
ほどほどの財産あるいは莫大な財産を持つ、すべての両親に勧めたい。
我が子が大人になったら、署名する前に遺言を読ませなさい。あなたの判断の論理、あなたの死に際して受け持つ責任の両方に対し、間違いなく子が理解するようにしなさい。
誰かが質問・提案をしたら注意深く聞き、理があると思うものを採用しなさい。
あなたの死後、遺言の決定について、子が『なぜ?』と聞くことのないようにしなさい。
このやり方は、バフェット氏の父親のやり方でもあったという。
富豪が慈善財団を作るというやり方は、家族に有意義な仕事を与え、税負担を減らすという面もある。
ただ、小金持ちならともかく、ずば抜けた富豪の場合、託された方もたいへんそうだ。
バフェット氏が言及した「責任」とは何か。
同氏は、3人の子が同氏から受け継いだ「財産のすべてを自ら分配することを望んでいる」。
その子らももう71歳、69歳、66歳なのだ。