ジェレミー・シーゲル教授による週次の経済・市場コメント(先週は感謝祭のお休み)。
従前から変化はないが、表現のしかたがかなり慎重になっている。
「繰り返しになるが(米)経済はよく見えている。」
シーゲル教授がウォートンビジネスラジオで、経済・市場が概ね順調であると話した。
経済の見方に変化は見られないが、「見えている」という言い方にやや迷いが見える。
「みんな12月に株式が上昇すると話している。
そして、12月は通常よい季節だ。
クリスマスから新年までは、一貫して好パフォーマンスとなってきた週だ。
それでも絶対じゃない。」
シーゲル教授が心配するのは経済ではなく、市場の方だ。
市場の過信を疑っているのだ。
「コンセンサスは12月がよくて、来年第1四半期は上げ幅がとても小さくなり一時停止になるというものだ。
市場がどう反応するかについてみんなが同じ意見になると私は心配になる。
今月が思うほどよくなくて次の四半期がよくなれば、サプライズになるかもしれない。
繰り返しになるが、市場でこれから起こることをみんなが知っているように見える時は通常それが起こらないものだ。」
この言葉を深読みすれば、仮に12月の株価上昇が市場を満足させない場合、第1四半期の結果を見る前にサプライズが起こり、市場が腰折れする可能性があると読める。
実際、シーゲル教授は、来年の米市場について、過去2年ほどには良くならないと考えている。
PER 22倍は高いが、10年物価連動債利回りが2.1%近辺から1.9%未満まで下がり、債券との競合が弱まり(株式)市場を支えている。
しかし、とても率直に言えば、2025年にかけてが2023-24年と同じように良いと予想するのは難しい。