ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏の17-18日FOMC終了後のCNBC出演の全貌が会社側から公開されている。
(冒頭5分間はコチラ)
この問題を経済成長で脱するのは難しいだろう。
名目成長率がとても強い場合、それは高い長期金利を意味する。
私の考えでは、長期側の金利上昇は証明されたように思える。
ガンドラック氏がCNBCで、従前から言及してきた米財政問題について改めて尋ねられ、コメントした。
根拠として、9月以降の3回の利下げでFF金利が100 bp引き下げられた間も長期金利が逆に80 bp上昇した点を挙げている。
米10年債(緑)・2年債(青)利回りと実効FF金利(赤)
「これは仮説上の話ではなく、現在進行中の現象だ。
市場は利払いの問題が存在することを見透かしている。」
ガンドラック氏が反対意見を述べている対象は、日本で言えば、いわゆる上げ潮派の人たちの議論だ。
拡張的政策により名目成長率を上昇させることで、財政が再建されるとする主張である。
こうした考えが支配的になると、政府は経済目標を実質成長率から名目成長率に変えるようになる。
ガンドラック氏は、米経済について、こうした手法がうまくいかないと述べているのだ。
では、日本はどうか。
日本では名目長期金利が高々1%超にすぎない。
日本ならうまくいくのではないかと思うかもしれないが、そう簡単ではない。
日本の長期金利が低位にとどまっているのは、日本経済が低成長を続けているからだ。
一たび経済が停滞から完全脱出すれば米国と似たような状況に陥るのではないか。
この疑問こそ、異次元緩和スタート時に外国勢が疑問に持った点であり、それゆえに外国勢の日本への関心が短命に終わったのだ。
この戦略は整合性のある出口戦略を持たないのではないか、というわけだ。
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