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モハメド・エラリアン氏は米・中・日をどう見ているか?

アリアンツ主席経済顧問モハメド・エラリアン氏が、世界の3大経済についてツイートしている。
金利を意識した端的なスナップショットとなっている。


西側諸国で過去20年繰り返し言われてきたのは『西側で日本と同じことが起こることはない』ということ。
かなりの数の他の先進国経済で、それが間違いであったことが証明された。

エラリアン氏が週末ツイートした。
同氏は、先進国経済で何らか「日本と同じこと」が起こったと言っている。
それが何かはツイートに埋め込まれた画像のテキストに書かれている。

「債券熱が高まるにつれ、中国の短めの金利は20年来の低水準まで沈んだ」

エラリアン氏が言っているのは、停滞にともなう超低金利だ。
リーマン危機後、欧米の先進国は一足先にこのタイプの「日本化」に直面した。
(そしてたいていは公的債務拡大というおまけがついてくる。)
同氏は中国と日本の現状を次のように書いている。

今『日本化』のリスクに直面しているのは中国だ。
皮肉なことに、日本自体はそのひどい経済の罠から脱出しようとしている最中だ。

中国が苦戦しているのは間違いない。
中国はかつて繫栄する中でも油断せず、日本の二の舞にならないよう、日本の失われた10年、20年、30年を学んできた。
専制国家ならば強権を発動することで日本の二の舞になるのを回避できるとの楽観論も多かった。
しかし、現実には、程度の差こそあれ、大いに苦戦している。

一方日本はどうか?
流動性の罠からの脱出は始まったかもしれないが)もう少し広く見て「経済の罠」から抜け出そうとしているのだろうか。
例えば10年前と比べ、日本国民の社会厚生は包摂的に改善したと言えるのだろうか。
エラリアン氏のお墨付きには、嬉しいような、首を捻るようなところがあるのではないか。

経済を金利で表現しているといえば、エラリアン氏の昨日のツイートも要注目だ。

米10年債利回りは再び4.60%水準をうかがっている。
この利回りが2025年のかなりの部分で4.75-5.00%レンジとなっても驚きはない。

おさらいしよう。
短期側が2%を切り「日本化」が危惧される中国。
長期金利が1%を少し出たところで右往左往する日本。
長期金利が5%に向かうと予想される米国。

世界はこんなにも多様だ。
しかも、その経済にも深刻な問題点が指摘されている。


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