アスワス・ダモダラン教授のMOI Globalのインタビュー第4弾: ミクロ投資とマクロ環境、情報源。
「現在の環境では、すべてが変化している。
もはや新興国市場だけの話ではなく、すべてがそうで、これが当然になりつつある。」
ダモダラン教授が、大きく変化している投資環境についてコメントしている。
進行中の大きなマクロ的変化が一時的なものでない可能性を強く示唆している。
このため、これまでの投資におけるチートが使えない。
中央回帰、つまり、物事がかつてあった方向に回帰していくとの仮定は、何の答も与えてくれない。
待てばいつか昔に戻るとの想定は適切ではないという。
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では、大きなマクロ・リスクが懸念される時、投資家はどうすればよいのか。
ダモダラン教授は、価値評価におけるマクロ・リスクの勘案の仕方を尋ねられ、答えた。
「コントロールできるものとできないものに分けたら、コントロールできないことを心配しても仕方がない。
それが直接に会社に影響を及ぼすものでないかぎり・・・なすべき仕事は、会社の価値を評価することであって、金利・為替・政治がどうなるかを予想することではない。
アナリストはそれ以外の世界に時間を使い過ぎで、評価しなければいけない会社の評価がおろそかになっている。」
対象企業にもっと集中しろというのはわかる。
しかし、では、大きなマクロ変化は勘案しなくてもいいのか。
ダモダラン教授は、現実的な対応を教えている。
「マクロ・リスクについてのアドバイスは、今のままだと仮定しろということ。
私たちが暮らしているのはこの世界であって、あなたが望む世界ではない。
見出したリスクを分析に勘案するなら、そのリスクをカバーするために合理的な(リスク)プレミアムを課し、次に進め。」
さらに、ダモダラン教授は、対象に集中することの重要さを繰り返している。
会社から始めろ。
その前に会社について書かれたものを多く読もうとするのはやめろ。
・・・時間の無駄だ。・・・
行き詰った時だけ他のものを見ればいい。