1月27日の米市場の大きな下げの引き金となったディープシーク・ショックについて、ファンダメンタルズ分析の専門家、リスク/不確実性の専門家のコメント。
週末を挟んでこれほど大きく話が変わったのを見たことがない。
アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授がCNBCで月曜日の大きな下げについてコメントした。
中国の新興企業ディープシークは20日、比較的安価なシステム構成で稼働するAIモデル「DeepSeek R1」を発表した。
有力投資家のコメントなどにより、先週末からこのAIモデルは一躍注目を集め始めた。
低コストで高性能のAIが稼働しうるとの見通しから、AIのための高性能チップで優位に立っていたNVIDIAをはじめ米テック株への懸念が高まった。
NASDAQ総合指数は27日、3.07%の下落となった。
翌28日は持ち直し、2.03%の上昇となった。
近時市場を牽引してきたナラティブは、AIが有望であり今後も関連銘柄が市場を牽引するというものだった。
そのナラティブが今後も続くのか、関心が高まっている。
ダモダラン教授は、米AI関連株について上値の余地は狭まったとしつつ、決して悲しんではいない。
「このことで、AI製品・サービスがより身近になる。
変わったのは収益化だけだ。」
ダモダラン教授は、AIがコモディティ化することで市場が広がり、利幅の狭い商売になると予想。
消費者には有利、企業のバリュエーションにはネガティブと解説した。
「AI関連株のストーリーは『止まらない』というものだった。
ストーリーはばかげた域に達していた。
裸の王様が裸だったことが分かってしまったんだ。」
ダモダラン教授は従前、NVIDIA株価に織り込まれた成長が現実に起こりえない域に達していると警告していた。
ダモダラン教授がAIのコモディティ化を株価へのネガティブ要因と見るのに対し、市場はいつもの楽観を取り戻しつつあるようにも見える。
27日に16.9%下げたNVIDIA株も28日には8.9%戻している。
マージンのことはさておいて、コモディティ化による市場規模拡大をプラス要因だとする論調も増えている。
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