ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、29日のFOMC終了を受けて、金融環境や投資推奨について語っている。
「FRBは次の動きについてとても幅広な考えを持っているように受け取った。
『利下げを急がない』という言葉は現時点で『利上げに傾いている』という意味ではないだろう。」
ガンドラック氏が恒例となっているFOMC後のCNBC出演で、今後のFRBの動向を予想した。
FF金利が米2年債利回りに追いつきFRBの出遅れが解消されており、FRBはデータ次第の姿勢を続けるとの見方だ。
ガンドラック氏は今後数か月インフレがさほど低下しないと予想し、3月FOMCでも利下げはないと見る。
今年の利下げは、メインシナリオで1回、最大2回になるとの見通しだ。
ガンドラック氏は米財政問題について従前どおり懸念を述べた。
私は減税を望まない。
私は歳出削減を望んでいる。
ガンドラック氏は財政赤字を主因として長期側の金利がまだ上昇すると予想する。
トランプ政権で財政赤字が減少するとは考えていないという。
このため引き続き長期側の債券は避け、中期ゾーンを選好しているという。
ガンドラック氏は、クレジット・スプレッドがタイトになっている他、証券化の分野でサブプライム危機を思い出させる現象が起こり始めていると指摘した。
「銀行ローンのCLO市場において再証券化が行われ始めている。
従来の格付を再トランシェ化する動きが出始めている。
例えば、BBB格の債券を優先BBB格と劣後BBB格のトランシェに分けるなどだ。
その目的は、単一のBBB格より2つのトランシェに分けた方が平均の金利が低くなるためだ。」
ガンドラック氏は、問題の種がまかれてから表面化するまでには長い時間がかかるとの持論を語った。
サブプライム危機でも2005-06年に種がまかれ、危機に発展したのは2007年だった。
同氏は、始まりつつある再証券化が2025年前半に問題化することはないと考えているが、注意が必要と警告している。
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