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【短信】493銘柄のPERは19倍と合理的:ジェレミー・シーゲル

ジェレミー・イーグルス・シーゲル教授が、NFLスーパーボウルを制したイーグルス(ウォートン校のあるフィラデルフィアが地元)のキャップを被り、経済・市場についてコメントしている。


シーゲル教授は1月の米CPI発表直前にCNBCでこう語った。

「1時間内に発表になるCPIは、過去6-12か月で最も影響の小さなCPI発表になるだろう。」

シーゲル教授は理由として、1月は季節調整の影響を受けやすいこと、次回FOMCまでに2月のCPI発表があることを挙げている。
(結果、12日発表のCPIは市場予想を上回り、利下げ予想はいっそう後退したが、市場の反応は大きくなかった。)
教授は従前どおり、何よりも関税の方が大きな要因だと述べている。

他のプラス要因として政府効率化省DOGEについて尋ねられると、シーゲル教授は期待していると話している。

「市場はとても前向きに捉え、イーロン・マスク氏の下で驚くほど大きな成果が上がると見られている。
彼がテスラでやったことを見ると、専門家が誰も可能と思わなかったコスト削減を行った。
テスラによる莫大な報酬も、誰も支払う必要はないと思っていたが、彼は受け取った。
彼こそこれにふさわしい人物で、私も興奮している。」

話している内容を聞くにつけ本気度を疑いたくなるが、期待しているのは事実のようだ。
ただし、トランプ政権は様々な減税アイテムも予定しているため、全体としてどれだけ財政再建に実現できるかは予見しがたいという。
シーゲル教授は、2017年減税の延長は議会承認を得やすいが、それ以外は容易でないと予想する。

S&P 500のPERが22倍前後に拡大して以降、米市場ではこれ以上の倍率拡大が見込みにくいとの見方が増えている。
つまり、相場はEPS次第との見方だ。
さらなるPER拡大の可能性について尋ねられると、シーゲル教授は従前どおりの説明をしている。

  • マグニフィセント7とそれ以外の493銘柄を分けて考えるべき。
  • 債券との均衡PERは20倍。
  • 493銘柄のPERは19倍と合理的。
  • 高PERのMag7は(DeepSeekやBYDの脅威の中)モメンタムを保てるかによる。

今回もシーゲル教授はファクター/セクター・ローテーションを予想していないが、自身の選好は述べている。

私はMag7を警戒している。
反対側の銘柄群を選好している。
PER 19倍で・・・出遅れている。
中小型株は15、14、13倍だ。
これなら大きな利益成長なしでもそこそこのリターンが得られる。

Mag7が牽引役であり続けられるかについては「答えられればよかったが、結果を見守るしかない」と答えている。
市場の常として、モメンタムは続くかもしれないし、終わるかもしれないということ。
これは従前どおりのスタンスだが、《永遠のブル》としては、弱めのスタンスを続けていると言うべきかもしれない。


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