アベノミクスが始まる半年以上前の2012年、本コラムで預金封鎖と新円切り替え、国債暴落のシナリオ検証について書いたことがあった。(2/17日 浜町SCI)
まだ、民主党政権が消費税増税を掲げていた時代だ。
関連記事(いずれも2012年2月):
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国債暴落のシナリオ検証(1)預金封鎖・新円切替・財産税は怖くない
国債暴落のシナリオ検証(2)日本国はいったいいくら踏み倒せばいいのか
国債暴落のシナリオ検証(3)国債調整の3つのシナリオ
あらすじを紹介すると、財政悪化とともに高インフレや通貨の信認喪失に陥る場合、立ち直るには相当な荒療治が必要だろうとした上で、かなりのお金持ちでないかぎり(不便や損は被るにしても)それほど深刻なものではないだろうと述べていた。
また(戦後もそうだったが)日本政府はデフォルトを選択せず、名目の国債価格が暴落はしないと予想した。
結局、債務問題の解決の大部分は(通貨切り替えを含む)通貨価値の毀損とインフレによることになろうとしている。
今読み返して思うのは、予想がそこそこ当たったという感慨ではない。
当たり前のことを書いていたという感慨だ。
そして、当たり前のことがこの十数年でどんどん現実になってきたように思えるということだ。
2012年当時、一般政府のB/S上のネット負債は600兆円超だった。
一方、家計と非金融法人の金融資産の合計は1,800兆円超。
記事では、政府が民間の金融資産の1/3を収奪すれば、日本のいわゆる債務問題は解決するだろうと推測していた。
そして、その方法論として3つのシナリオ:
(A) 政府が歳入・歳出改革に目途をつける
(B) 金融市場を正常な領域に維持できず国債が暴落する
(C) 金融市場が正常な領域に維持され高めのインフレに転換する
を想定していた。
このうち前述のとおり(B)は極めて考えにくい。
(A)のハードルも高い。
結果(C)を中心に進められることになるとの予想だった。
(次ページ: 過去13年の反省会)