アリアンツ主席経済顧問モハメド・エラリアン氏が、従前唱えてきた米国例外主義について、人々の間に疑念が広がりつつあると述べている。
私が心配するのは、政府にこれらすべてのことを吸収する能力がなければ、人々が様子見の姿勢に入ってしまうことだ。
様子見の姿勢が、すでに少しスタグフレーション継続の兆しのある中で起こることだ。
その次には米経済例外主義に疑念が持たれるようになる。
エラリアン氏がBloombergで、政策が引き起こす変化(財政、エネルギー、世界秩序、産業への波及)が、これまで堅固と思われてきた米国例外主義を揺るがせかねないと話した。
仮に経済活動が鈍化し、米経済への自信が揺らげば、世界は唯一の成長エンジンを失い、市場は地政学的・政治的要因にもろにさらされることになるという。
同氏は、欧州には確固たるエンジンがなく、仮に大規模財政政策が実施されても米国に代わる力はないと考えている。
「(世界の経済で)よいのは米国、悪いのは中国、醜いのが欧州だ。
中国や欧州が米国の方に収斂するのでなければ、米国が他の2つの方に収斂するリスクが生まれる。
これはメインシナリオではなくリスクシナリオであると強調しておく。
でも、1月中旬には米経済例外主義を疑うものは誰もいなかった。」
エラリアン氏は、冒頭で言及したスタグフレーションについてコメントを求められている。
インフレと不況が共存するスタグフレーションでは、景気を刺激すればインフレが昂進し、インフレを退治しようとすれば景気がさらに悪化してしまう。
FRBで言うなら、物価と雇用のデュアルマンデートが両立しえなくなる。
スタグフレーションは政策決定者、デュアルマンデートを担うFRBにとって悪夢だ。
とても厳しい状況になってしまう。