ブリッジウォーター・アソシエイツのボブ・プリンス氏は、米国株市場の活況がいつかは終わるとして、どのような天候にもに対処できる投資法を解説している。
1970年まで遡り株式に投資した15年の中で、この15年は最高の15年だった。
プリンス氏が投資家向けメールで、過去15年の追い風についてコメントした。
この15年が最高と言うところを見ればわかるとおり、今後は悪化していくとの考えなのだ。
同氏は、投資家の米国株への集中度がドットコム・バブルと並んで史上最高水準(米家計の資産の約8割が株式)にある点を心配する。
順風満帆に推移した2010年代と比べた悪材料を列挙している:
- 循環的要因:
・インフレが目標を超過
・金融政策が引き締め的 - 趨勢的要因:
・地政学的リスク増大
・脱グローバル化
・気候変動リスク
逆に、プリンス氏はいくつか楽観派の意見も紹介しているが、真偽のほどは定かでないという。
つまり「多くの不確実性が存在する」のである。
同氏は「不確実」な状況でも、勝負から降りる必要はないと主張する。
- 株式を諦め、間違ったタイミングで市場を退場するというFOMO(取逃す恐怖)に耐える必要はない。
- 現金に退避する必要はない。
- 防御のため身を低くする必要はない。
さらに、投資のために将来何が起こるかを正しく予想する必要はないとし、同社の看板戦略であるオールウェザー戦略の基本である分散投資の重要性を主張している。
例えば60/40ポートフォリオといった単純で固定的なものでなく、シナリオ別に何が有利になるかを意識した分散である:
- 成長鈍化: 債券と金が有利に。
- 根強いインフレ: コモディティや金が有利に。物価連動債。
- 流動性低下: すべての資産に悪影響。流動性低下の原因がインフレならコモディティがやや有利になるかも。国・地域による分散も。