ウィリアム・ダドリー 元ニューヨーク連銀総裁は、トランプ関税により米経済が傷んでも、FRBによる救済は期待できないと予想している。
米金融政策について教えを請うのに、在野でこの人ほど適切な人は他におるまい。
加重平均関税率は今年、従来の3%未満から25%に上昇する公算が大きい。・・・
その影響は壊滅的なものになろう。
ダドリー氏がBloombergの寄稿で書いている。
原典はわかりやすく整理され、かつ邦訳されているので、一読をお奨めする。
ここではエッセンスの一部を紹介する。
- 米経済への影響: 需要減。「スタグフレーションはむしろ楽観的なシナリオ」
- FRB: 関税による一時的なインフレには対処しないかもしれないが、インフレ期待が上昇する場合(利上げによる)「景気後退がFRBにとって唯一の選択肢になる」
- 株式:「勝ち目のない状況」
日米とも株式市場は下落を続けているが、一時のパニックというほどの下げではなくなっている。
仮にダドリー氏の予想通り、平均の関税率が20%ポイント超上昇するなら、対米輸出や米家計の状況は一変するだろう。
市場はすでに大きく下げたとはいうものの、こうした「壊滅的なもの」まで織り込んだと言えるのだろうか。