ジェレミー・シーゲル教授が、19-20日のFOMCを前に、強気バイアスを全開にしている。
(今週発表された)CPIとPPIは堅い側の結果で、やや期待外れだった。
異常なところはないが、FOMC内で利下げに反対のタカ派の見方を裏付けるものだった。
シーゲル教授がウォートン・ビジネス・ラジオで、19-20日開催のFOMCの方向性を占った。
インフレ低下が期待ほどでなかったため、FRBが利下げに慎重になるとの推測だ。
「私の予想では、ドットプロットは前回12月よりかなりタカ派的になるだろう。
12月には年末までに3回のFF金利引き下げが示されていたが、私の読みでは(利下げ回数の)メジアンは3回から2回に変化するだろう。
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理由を簡単に言えば、FRBが見るインフレ統計がすべて粘着的で、そして最も重要な実体経済が極めて良好であり続けているからだ。」
予想通りFRBがタカ派に振れたとしても、背景に強い実体経済があるため、経済・市場への心配はいらないと言いたいのだろう。
シーゲル教授は、予想を見る上で、住居費統計のラグ、FF金利予想の下方バイアスなどを議論している。
今回のポッドキャストの議論は少し細かい話が多かった印象だ。
株式市場については、セルサイドの営業員かと思うほど強気バイアスのかかったトークが並んだ:
- NVIDIA株が少し動揺したが、これら銘柄に再びモメンタムが戻るだろう。
- 金利上昇やFOMCなどで一時停止があるかも。
- エネルギー価格が堅調などバリュー株・小型株に有利な動きが見られる。上昇の幅が広がるのはよいこと。
- テスラがマグニフィセントセブンから脱落したと言われるが、上昇が特定のカテゴリーに集中しないのはよいこと。
- 投資家が銘柄ごとの差を見ているのはよいこと。
最後にシーゲル教授は、自身の発言の伝えられ方について注文を付けている。
『2000年にかけてのバブル』、『バブルが始まるかもしれない』なんて私は言っていない。
ただ、『そうした初期段階かもしれず、注意すべき』と言ったんだ。
確かに教授は一貫して現状が「2000年にかけてのバブル」とは全く異なると言い続けてきた。
ただ、「バブルが始まるかもしれない」と「そうした初期段階かもしれず、注意すべき」の間にどれほどの違いがあるだろうか。
どう語るか、どう伝えるか、どう受け取るか、3者ともに注意することが重要なのだろう。