モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏が、7日に行ったディフェンシブ株対比での景気循環株の格上げについて考えを明かしている。
要するに、歴史的な好調の後、利益確定するのに絶好なタイミングだったんだ。
ウィルソン氏は自社ポッドキャストで、景気循環株の格上げというよりはディフェンシブ株のエグジットという観点から話を始めた。
米市場に一瞬よぎったハードランディング懸念がディフェンシブ株を押し上げたが、その後の経済データや利下げによってリスクが後退したので、今度は景気循環株だ、というわけだ。
ウィルソン氏は、金利市場が今回の格付けを勇気づけていると話す。
「しばしば金利市場は株式市場より成長リスクを長く引きずるものだ。
だから、最近の力強いデータに続く金利上昇は、債券市場が経済成長にかかわる懸念をいくらか払拭して値付けをしているものと解釈できる。」
ウィルソン氏は、格上げ対象とした景気循環セクターが金利と正の相関にあること、ディフェンシブ株が負の相関にあることを指摘。
景気が安定すれば、金利上昇が続いても「質の高い景気循環株(クォリティ・シクリカル)の相対的パフォーマンス」は有利になるという。
「相対的」と付しているから、金利上昇の持つマイナス要因を否定しているわけではなさそうだ。
ウィルソン氏によれば、顧客である機関投資家層では依然として景気鈍化への懸念が残っており、ディフェンシブ株やクォリティ・グロース株が持たれているという。
つまり、同氏予想が当たるなら、景気循環株の上値余地は十分あると言いたいのだ。
ウィルソン氏は、最近のマグニフィセント・セブンの相対的な低調がその他のセクター/ファクターの相対的好調につながっているといい、今後の景気循環株にも当てはまるだろうという。
現状の(Mag7の)アンダーパフォームが続くなら、私たちの予想する質の高い景気循環株の好調がさらに後押しされるだろう。
逆に、Mag7の業績が相対的に強くなるなら、Mag7は再びアウトパフォームを始め、第2四半期と2023年通年のように数少ない銘柄が市場を牽引することになろう。